コーヒー豆知識
焙煎度が生み出す味わいの違い
#豆選びのヒント

数あるコーヒー豆の中から、お気に入りの豆を選び出すのは、多くの人にとって中々難しいことかと思います。「どれを選べばいいんだろう?」、店頭に並ぶコーヒー豆の数々を前に思わず立ち尽くすこともあるかもしれません。しかしながら、コーヒー豆を購入する際にはいくつかポイントがあり、それをひとつづつおさえていけば、お好みの豆選びに近づけるのです。
そこでまず覚えていただきたいのは、コーヒーの味を決める要素についてです。これは大まかにいうと以下の3点になります。
- 豆の種類
- 焙煎度
- 抽出のしかた
これは本当に大雑把な区分なので、実際はもっと複雑にこまかな要素が絡み合って味わいが変わっていきます。しかし、初歩の初歩でおさえるべきは、まずこの3点になるかと思います。
そのなかでも、特に味の方向性を認識しやすいのが「焙煎度」です。そのため、豆選びのヒントの第一回は「焙煎度」についてご紹介します。
焙煎とは
日本ではコーヒー豆の生産はほぼ行われていなため、生産国から輸入することになりますが、この時点ではまだ生豆の状態です。砕いた生豆にお湯を注いでも、だれもがイメージするようなコーヒーの香りや味わいは生まれません。生豆に火を入れることで、コーヒーを淹れられる状態にするのが焙煎です。

焙煎時の火の入れ方の加減によって、軽く火入れしたものを浅煎り、しっかりと火入れしたものを深煎り、その中間くらいを中煎りと、焙煎度合いは大きなくくりでこの3段階に分けられます。ロースターによってその加減は異なるものの、この焙煎度合いによってコーヒーの味わいは大きく変わっていきます。
焙煎度の違いと味わいの違い
浅煎りの豆はコーヒー豆のもつ本来の味を感じられ、深煎りの豆は強い火入れによって生じる香ばしさや苦味が強く、中煎りの豆はバランスの良い味わいとなります。焙煎度合いの違いをステーキに例えるなら、浅煎りは肉の素材感を楽しむレア、深煎りはしっかりとした加熱による香ばしさを楽しむウェルダン、そして中煎りはその間をとったミディアムというところでしょうか。

一般的に浅煎りの豆ほどコーヒーチェリーに由来する果実的な酸味や香りが感じられ、深煎りの豆ほど苦味や香ばしさが増していきます。ただ、これはあくまで一般的な傾向であって、豆によっては浅煎りだと酸味よりもエグ味が出過ぎてしまうものや、深く煎りすぎるとただ苦いだけで何の風味も感じられないものもあり、適切な焙煎度は豆によって様々です。その辺りは「浅煎りで飲みたいけど、この豆は大丈夫ですか?」という感じで質問してみることをオススメします。
コーヒーローストおかべでは、ご注文いただいてから焙煎する方式をとっていますので、お客様のお好みに応じた焙煎度で提供することができます。まずは、こうした味の傾向を参考にして、焙煎度をご指定いただければと思います。その焙煎度が向かない豆の場合はその旨をお知らせしますので、ご安心ください。